ケータイ小説 野いちご

あの日の約束を、君ともう一度

2Q【バスケと男の子】





「.....バスケしたい」





こぼれたその言葉を拾ってくれたのは、他の誰でもないお母さんだった。





「よく行ってた、あのコートに行ってくればいいんじゃない?」





昔、毎日のように行っていた、屋外のバスケットコート。






電車で三駅先のそこに、私は通っていた。





「...行けば誰かしらバスケしてるかな」





立ち上がった私を、お母さんはソファに座ったまま見上げた。





「行くの?」





「.......うん。行ってきます」





私はそれだけ言って、家を出た。





財布とスマホ、ICカード以外は何も持ってきていない。





あのコートにバスケットボールを持たずに行くのは初めてだ。





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