『元凶はおそらく玖音だ』






あれから数日。



お兄ちゃんが悪の根源だと告げたアルバーロ様のあの言葉が頭からずっと離れない。








「何、ぼーっとしてんの」







「ん、あ、えっと」








数日前の呼び出しのことを考えていると悠からいきなり声をかけられ、現実世界に思考が戻る。







ただ今、まだ帰省していない怜桜と悠と私の部屋に集まって冬休みの課題を消化中。







「ずっと手止まってるけどダイジョーブ?」なんて言って意地悪く笑う悠を見て今の自分の状況を理解する。





声かけられるほどずっと考え事していたのか……。








「わかんないとこあんの?教えよか?どこ?」






「……っ」







ドクンッ







黙っているとペンを片手に悠がいきなり私のテキストを見るために距離を詰めてきたので心臓が跳ねる。







クリスマスパーティーの告白以来、特に答えを急かされるとか、ギクシャクするとか関係の変化は一切なかったが、私は悠と怜桜をめちゃくちゃ意識しまくっていた。







一つ一つの仕草で心臓がバクバクするとか不憫だ。