「美鈴、一緒に帰ろう」





放課後──部活に行く生徒や帰路につく生徒で玄関は人で溢れかえっている。



そう予測したわたしと綾香ちゃんは、2人でひとけが無くなるまで教室に残っていた。



教室にいる人も少なくなり、そろそろ帰ろうかと言い合っていたときだった。





「……え、颯ちゃん?」





颯ちゃんがわたしの教室に顔を覗かせ声をかけてきたのだ。





「颯ちゃん朝に、放課後は生徒会の集まりがあるって言ってなかったっけ?」





たしか今日は10月にある文化祭前の話し合いがあると言っていたはずだ。



文化祭までもう一月もないため、最近は一緒に帰れないことが多々あった。



生徒会の集まりが終わったにしても、いくらなんでも早すぎる。