高校最後の夏の終わりの、幼馴染み達の叶わない恋のお話。

いかがだったでしょうか、とは言いつつ、読んで楽しかった作品ではなかっただろうと思います。

夏ってすごく鮮やかで明るくて、だけど同時に私はすごく切ない季節だなと思う瞬間があります。

例えば、青空に浮かぶ大きな入道雲、昼下がりの木漏れ日が揺れること、麦わら帽子と白いワンピース、縁側で仰ぐうちわ、夕暮れとも呼べない曖昧な空の色、遠くから聞こえるひぐらしやツクツクボウシの声、闇夜に打ち上がる花火。

特に夏の終わりは得も言われぬ切なさがあるのですが、皆さんどう思われるでしょうか。

あまり共感されることがないのですが、この夏の切なさをどうしても一度書いてみたかったです。

私の筆力では書き切ることのできないことばかりですし、読んでくださる方の心もきっとずんと沈ませてしまうので申し訳ない限りなのですが。


高校最後の夏、彼らは一瞬だけ両想いでした。

言えば良かったのに、とも思ってしまいますが、これが彼らが下した決断なんだろうと思います。

この先の彼らが結ばれるかどうかは分からないですが、2人ともこの夏のことを何度も思い出して胸を痛めながら大人になっていくんだろうと思います。

辛い道を選択させてしまいましたが、彼らが幸せになることを願います。


あとがきもここまで読んでくださってありがとうございました。


また別の作品で再びあなたとお会いできることを願って。



2018.8.27 神立まお