「――で。ここへ来たかったわけだ」 車が停まったのは、小さな外観のお店だった。 「なんのお店?」 「ん。必要かなーと思って」 「なにが?」 「見てみればわかる」 何か楽しんでいるような眼差しで言われ、咲桜は表に廻って硝子の中を覗き込んだ。 「え―――」 「これ、買ったとことなんだよ」 と、流夜が咲桜の左手を取った。 それを聞いた咲桜、また真赤になる。 うう……顔が常に発熱している。 「要るだろう? 結婚指輪」