日差しが目に強く差し掛かって、目をいやいやと開ける。
窓の外から鳥の鳴き声、誰かの話し声が聞こえてきたりしていた。
ふいに周りを見渡すといつも自分が過ごしてきた部屋だ。
体を起こして伸びをし、布団の暖かい空間という牢獄から何とか身を外へ出し、携帯を手に取り何となく窓の方へ向かった。
前日は雪だったため、晴れの状態でも地面には少しながらも積もっていた。雪は日の光に溶かされながらも美しく輝いていた。
外には老若男女問わずに様々な人が歩いていた。そんな何気ない景色をただボーッと見てしまい、ふと心の中でつぶやく。

平和だな〜

ブーッ ブーッ


「うぉ!」


携帯のアラーム音がした。
気を緩めた直後だったので、驚いてうっかり手から落としてしまった。
アラームをかけた覚えがなく、不思議に覚えながらバイブレーションで震えてるスマホを眺めていた。
窓の外から音がするだけで、部屋の中はバイブレーションの音で包まれていった。
眺めていても仕方がないので、しぶしぶスマホを手に取り、アラームを止めた。
アラーム設定時刻は11時25分


「なんかあったっけな〜?」


頭をかじりながらスマホを手に、部屋の真ん中にある丸机をグルグルと歩き回る。
思い出そうとしても思い出せず、逆に今日どうしようかと思考が変わってしまう。