「どんだけオレを待たせるつもりだ?」



不機嫌な声が溜め息と漏れる。


どうしてアナタは、そういつも突然現れるんでしょうか……?


目を見開いて見上げれば眉根を寄せてご立腹な七瀬先輩の姿。



「な、なんで七瀬先輩が……」


「今何時だと思ってんの?」



不機嫌がピークに到達したような声に慌てて腕時計を見る。



「ご、ごめんなさい……」



マズイ。

約束の時間は当に過ぎていたから怒るのも無理はない。