宮田君が死んだことで、体育館の中は静かだった。


現実から目をそらしたくても、ステージ上の宮田君の死体が嫌でも目に入って来る。


「彩美、大丈夫?」


隣に座っている彩美はさっきから真っ青な顔をしている。


「うん……」


弱弱しい返事。


「少し横になるといいよ」


あたしはそう言い、彩美が横になるスペースを開けた。


彩美は申し訳なさそうな表情を浮かべながら、その場に横になった。


「朝昼夕ってことは、そろそろだな」


誰かがそう呟く声が聞こえて来た。


ステージの横に付けられている大きな時計に視線を向けると、11時半を差していた。


「また、誰かが死ぬの……?」


「そんなのひどいよ」


みんな不安や恐怖を口にする。


しかし、その声はどれも小さく囁き程度だった。


みんな、もう<mother>に精神を支配されている状態だ。