ヒィッ……!! 背後から冷たく笑う声が突き刺さって、あたしは恐る恐る振り向いた。 「っ、……し、四ノ宮 玲央」 最悪だ……。 あたしの顔はぷるぷる震えていたのか、それがそんなにおかしいのか、バカにしたようにふっと息を漏らした。 「お前、なんで逃げたんだよ?」 「はい?いや、そもそも、逃げるなんて、なんのことですか……?」 しらを切るあたしに、四ノ宮 玲央は涼しげな表情を浮かべて距離を詰める。