ケータイ小説 野いちご

仁意那隊長は檻から抜け出る

脱出作戦
予期せぬ脱出作戦

見つからないように、暗くて誰も使いたがらないトイレで作戦を立てる。

「何個か考えてみたけど……状況に応じて使い分けよう」

一番実行できそうなのは、給食のパンが届けられるトラックの中に入る作戦。パンのトラックの中は常温だし、パンを運ぶ係のふりをしてトラックに近づきタイミングを見計らってトラックの中に入る。
人数は一人で行くことにする。三人はもうしないみたいだし、他は密告の可能性が出てきた。あいつは逆らおうとした人を密告すれば褒美を与えると言い始めたのだ。
決行は明日。その前に下準備をしなくちゃ。
トイレから出て仕事に戻る。今日は窓の掃除だった。窓には虫が付いていて、虫嫌いの私は内心サボりたいと思った。
掃除できていない窓が多くて他の当番誰だよと思い横を見ると傷だらけの手の沢野さんがいた。足を見ると内出血が起きている。それのせいで歩くことが難しいらしい。

「ちょっどうしたのその足!」

「あ……罰のときに……」

いつもの沢野さんからは想像できないような声だった。

「ほっ保健室!歩くの手伝うから!」

「行けへん。これも罰で……明日にならないと……」

沢野さんは泣きそうになりながら言った。

明日!?明日を待ってたらもっとひどくなる!
これは、脱出作戦をするしか……

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