やってしまった……。



なにやってるんだろう、僕は。


とっさに寝たフリして、なんとか誤魔化せたけれど……


今のは、かなりやばかったと思う。




君が真っ赤な顔ばかりするから、


僕まで伝わってきて、鼓動が速くなる。



だけど、僕はそれに知らないフリして、それどころか見抜かれないように


彼女をもっと、真っ赤にさせようとして、自分の気持ちを誤魔化す。




──『ユリ』




なんて、なにやってるんだ。ほんと。



彼女からはいつもいい香りがしていたのは、知ってる。



香水とか、そんなんじゃなくて

ただ、シャンプーの香り。



百合の香り……。




お花に言ってるフリして、


全て君のこと……。