「おはよう」


あたしが目を覚ますと
征吾は起きていた。


「昨夜はよく寝てたね
疲れてんだなぁと思って
声かけるのやめたんだ」


「気にせずに
起こせばよかったのに」


「嫌だよ 起こして
機嫌が悪くなったら困るもん
それじゃなくても
少し不機嫌だったし」


「不機嫌?」


「うん なんとなくね」


口数が少なかったし。。。


「あっ!今日3日目
お昼の便で東京へ帰っちゃいますけど
本当に3日間ありがとうございました
本物の恋人みたいに楽しかったです」


ベットの上に正座して
深々と頭を下げてお辞儀した。


「そう?楽しめた?」


「征吾・・・あっ
主任は疲れた旅になったかもしれないね
でもたまには新鮮味が
あってよかったでしょ?」


「新鮮味?」


「あたしの様な幼稚で
色気のない女っ気のない奴と
3日間も一緒にいるって言うのも」


「うーん そーかもな ハハハ」


笑われちゃった
でもそれが現実
水口さんなんて7センチのヒールが
似合う大人の女性だもの
どうあがいても勝ちようがない。


「早く彼氏を見つけて
こんな旅するのもいいなぁって
つくづく思いました」


「ふーん そう」


「はい!いい報告できるように
帰ったら頑張りまくります」


変な気合を入れ
堂々と宣言する。


バカだなぁあたし
まだまだ諦められそーもないのに。