【叶芽side】



バレンタインのロマンチックな告白から1ヶ月。


なんとか翔太先輩と付き合ってたけど、もう限界………。


放課後に晃椰君と話してやっと、心の中で決心付いたよ。


あたし、翔太先輩と別れる。



束縛激しいクセに、翔太先輩の周りにはいつも女の子がいるんだもん。


あたしって必要ナイ…。


だから、ちゃんと話そう。




サッカー部が休みの火曜日の放課後。


早速、翔太先輩を体育館前に呼び出した。


今日、あたしはハッキリさせるんだ…。


「ごめん、叶芽‼︎待たせたよな?」

「ううん。大丈夫です」


笑顔で頭を撫でる優しさも、仕草も全部嘘ですよね?


この人の特別は、あたしだけじゃない。


「翔太先輩。真面目に話したい事があるんです」

「うん。なぁに?」

「…あの…あたしと別れて下さい。1ヶ月間、お世話になりました」


自分でも驚く程すんなり出た言葉。


意外と緊張しないんだ…。