寒……

肌寒く感じ、真夜中に目を覚ました。

えっと……

これ、どういう状況?

祐一郎の腕を抱きかかえるようにしてソファーに腰掛ける俺。

「ご、ごめん」

あわててその手を離す。

わた……俺、何したの!?

思わず祐一郎を叩き起こしたい衝動にかられたが、

起こすのは悪いかな……

と思い今起こすのは止めておいた。




お腹減った……

何かないかな?

あ!持ってきたお菓子!

ポテチにチョコにビスケット!

うーん

どれがいいかな〜

「全部食えば?」

「そうだね、全部食べれば……って祐一郎!? 起きてたの!? いつ!?」

「お前がゴソゴソやり始めたときくらい」

「……祐一郎、聞きにくいんだけど
……あの状況、何?」

「知りてぇか?」

祐一郎、何でそんな思わせぶりな言い方すんの!

「全く全然聞きたくない!!」

嫌な予感しかしないもん、

その先のセリフ。

「さぁ〜お菓子だお菓子」

びみょ〜な雰囲気を吹き飛ばそうと、わざと俺は明るい声をだす。

「ポテチにチョコにビスケット!
どれがいいかな〜」

「全部」

「いや、今真夜中だよ。
あんだけ食ったら太るよ?」

「成長期だから大丈夫だろ」

それはお前だけなんだよ!

俺は身長もこのぺったんこの胸ももう成長しないんだよ!

プラス言っちゃうと食っても横にしか成長しねぇの!

叫びたくなったが、自分でもそれは恥をかくだけだと分かっていたので止めておく。

「……そうだね、せ・い・ちょ・う・き
だもんね……」

精いっぱいの皮肉を込めたセリフは

祐一郎に黙殺された。