ケータイ小説 野いちご

Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

86.哀しみの行方


────…


「此処、は……?」


目が覚めたのは、薄暗い部屋の中だった。


「眩しい……」


窓から射し込む太陽の光に片目を瞑り、光から逃げるついでに室内を見回す。


「……っ、遥香さん!!」


すぐ真後ろに居たのは横たわっている遥香さんで。


「遥香さん!遥香さん!」


何度も呼びかけるけど、薬が効いているのか反応がない。


「怪我は……」


していないみたいだ。


「良かった……」


天井を仰いで、ホッと安堵の溜め息を吐き出す。



……っていうか、此処は何処なんだろう。



唯一情報が得られそうなのはあの窓だけだけど、腕も足もロープで縛られているから簡単には行けそうにない。



“アンタを捕らえるのはこれぐらいしないとな”



意識が消える間際に聞こえたチヒロの言葉はそういう理由(ワケ)だったのか。



確かに、足を縛られてたら逃げようにも逃げられないし、ロープを切ろうにもこの部屋には縄を切れそうな道具はどこにもなさそうだ。



……仕方ない。今は大人しくしておくしかないか。


あたしだけならまだしも、傍には遥香さんも居るしね。


遥香さんには絶対怪我させたくない。



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