第3章“訳あり”の意味《視点ブラッド》



「は?“有給休暇”…?」



俺はブラッド。


都市の警備をするガーディアンという組織の隊長をしている。


二十歳の時からこの仕事を始め、もう気づけば六年が過ぎた。


今は、俺らガーディアンの主。ダリシーン王から、直接、重大任務があるから、と言って呼び出しをくらった。



………はずだった。



「“有給休暇”ってどういうことです?」


「言葉の通りだ。故郷に帰れ。」



思考が停止する。意味がわからない。


重大任務は?


ダリシーン王は、ふぅ、と息を吐いて言った。



「最果ての丘でのリベリオンとの事件や、ナイトメアの討伐が終わって、すべてが落ち着いたからな。

お前は、ガーディアンを始めた頃から今まで休みがなかっただろ?

……故郷に帰れ。」