外に出ることはできない。


助けも来ない。


それがわかったあたしたちは、澪の死体に目をやらないよう、みんな俯いた状態で椅子に座っていた。


こんな異様な空間にいると、澪の死体が動き出すんじゃないかという怖い妄想までしてしまう。


あたしは小刻みな震えが止まらない自分の体を抱きしめた。


「大丈夫か?」


そう聞いてくれたのは旺太だった。


旺太の顔色はもう戻っていて、あたしの隣に座った。


「うん……」


あたしは少し無理をして笑顔を浮かべた。


優しい旺太に心配はかけたくない。


けれど、震えは止まらなかった。


「嫌じゃなかったから、おいで」


旺太はそう言い、あたしに向かって両腕を開いた。