ゼロと私は、都市を歩いて行く。




「なぁ、都市はフィオネの瞳にどう映る?」




ふと、隣を歩いていたゼロが私に尋ねた。


私は、少し考えてから答える。




「…星の町よりも活気付いてるし、人々の顔も、幸せそうに見えるわ。


……大通りしか見てないから、一概には言えないけど、治安も良さそうね。」




都市のことを良く言うと、ダリシーンを嫌っているゼロが不機嫌になるかもな、と思ったけれど


私は正直に思ったことを言った。




都市は、とても綺麗で、やはり私の想像を裏切らなかった。



魔法が溢れている場所は、私にとって新鮮だった。




ほうきで、空を飛んでいる人がいるのが普通のようになっている。




「治安はいいかもしれないな。都市にはエドの仲間のガーディアンがいるから。

王が賊に襲撃されたりしないように、目を光らせているんだ。」




ガーディアンって、他にもいるんだ。



それはそうよね。



エド一人で、この大きな都市を守りきれるはずはないもの。




そういえば、さっきから青い服を着た人たちとよくすれ違う。




「青い服を着ているやつらがガーディアンで、その中にエドみたいに、赤い服を着ているガーディアンがいるんだが

それは階級が上の証で、魔力が高いやつが揃ってるんだ。」




並みのガーディアンよりも数倍は強い。
と、ゼロは言った。




ということは、ゼロがもし、ダリシーンに復讐をしようとしてるなら


ガーディアンはゼロの敵ってわけか。





でも、エドはゼロのことを慕っていたみたいだし、仲が悪いわけじゃないのかも。