それから、淡々と時間は過ぎていった。

親戚の人たちによって淡々と進められたお葬式。

お母さんの保険金は誰が持つかでもめていた。

だけど、受取人が、私になっていて、

いままでは、汚いものを見るかのような、目で私を見ていた大人は、

一気に私に媚を売ってきた。

全部無視して、

私は、その日夜、

お母さんが残してくれた通帳と、

数枚の服、

自分でアルバイトして貯めたお金を持ち、

お母さんとのたくさんの思い出がある家を飛び出した。