制服が夏服に変わり始めた六月の始め。
入学して早くも二ヶ月が経った。
私、霧長 優乃(きりなが ゆうの)肩くらいまである髪の毛をストレートにしている。
高校一年生。
…..で、ちょっとした有名人。
―――ガラガラ
教室のドアを開ける。
最初はうるさかった教室も、私が入ってきたことがわかると途端に静かになる。
ほとんどの人たちから、睨まれながら自分の席まで歩く。
「あいつ、性格悪いよね~。」
「ほんと、よく学校これるよね。」
なんて近くの席の女子たちからそんな会話が聞こえてきた。
多分、わざと聞こえるように言ってる。