これは一緒に暮らしだして
半年くら経った頃の
ある日の話。

「なぁ柾、抱いていいか?」

それまで、触り合いくらいしか
していなかった俺たちは
体を繋げたことがなかった。

だが、俺はずっと
この言葉を待っていた。

自分から言い出せなかったのは
ただ単に恥ずかしかったからだ。

「満彦の好きなように」

俺の全ては満彦と
桜耶のためにある。

「ぁ、んん……」

丁寧に解されるのだが、
満彦の指がある一点を
掠めた瞬間、全身に
電気が走ったような
感覚が襲って来た。

「ひゃっ‼ ぁ、ぁ、ぁ……」

「柾のいい所見つけた」

いたずらっ子みたいな
笑顔を浮かべて、“そこ”を
周知に攻めてくる。

「そろそろ、俺も限界」

それだけ言うと、満彦自身が
俺の中に入って来た。

ぁっ、ぁっ、
気持ち良すぎてヤバい。

痛いとか異物感とか
感じることもなく
快楽だけが
俺の頭の中を支配する。

「満彦……」

俺に気を使ってか、
入れてから動こうとしない。

「動いて?」

普段なら絶対に
しないだろう
甘えた声を出してみた。

「あっ‼ ぁん‼
満彦、愛してる」

散々啼かされた俺は
夜中に目が覚めた。

腰と喉痛ぇ……

横を見ると規則正しく
寝息をたてる満彦が居て
一人で赤面してしまった。

そっとベッドから抜け出し
下だけ身に付けてキッチンに向かい
冷蔵庫からペットボトルの水を
一本取り出してリビングの
カーテンを小さく開けると
空には満月が輝いていた。

こんな幸せが続くようにと
満月に向かって祈った。