ケータイ小説 野いちご

俺は、お前がいいんだよ。

Chapter*1
傘とハンカチ


放課後。


帰り支度を済ませた私は、重い足取りで廊下を歩く。


ついに、説教の時間到来か。


鬼のような形相で怒るんだろうな、瀬ノ内君。


どんな文句を言われても謙虚に受け止めなくては。


そう心に誓いながら屋上にやってくると、既に瀬ノ内君が待っていた。


「は、早い…ですね。」


「授業が終わって、すぐに来たから…。」


お昼休みの時みたいに、穏やかな表情…。


でも、この後…急に表情を変えるんだろう。


その前に、私から謝罪とお礼を言うべきだよね…。


私は、大きく息を吸い込んだ。


「き、昨日は…すみませんでした…。」


「えっ…」


「私が落とした500円玉、わざわざ拾ってくれたのに、あんな言い方した挙げ句、逃げるように帰ってしまったから…。あ、あの……助けていただき、ありがとうございました…。」


ぎこちない声で言葉を繋げた私は、深々と頭を下げた。






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