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「お前さ、絶対あいつと何かあっただろ?」


そう言いながらいつもの如く日替わり定食(煮物の小鉢抜き)を食べながら志賀が言った。


「別に。」


「分かりやすっ………なぁ、どうしたんだよ。あいつ、最近、昼飯外に食いに行ってるし。」


「別に良いんじゃないの。何をどこで食べようが私には関係ないし。」


「ふうん……関係ないねぇ……。じゃあ、俺はお前の事、諦めなくても良いってことか?」


わざとらしくニヤついた顔で言ってくる。


「それは………」


「冗談。ただ、ちょっと気になったからさ。俺が余計な事、言ったばかりにお前らギクシャクしてんじゃねぇのかなって。」


「ちょっとケンカしただけ。大した事じゃないわ。」


「痴話喧嘩って訳か。」


「ごめん、心配かけて。でも大丈夫だから。」


本当は全然、大丈夫な気がしないけどいつまでも志賀に甘えてる訳にはいかないもんね。


「そっか、まぁ、余程の時は言えよ。相談に乗るから。もちろん、同期としてな。」


今までと変わらない志賀の態度に今は救われる。


「うん、分かった。」


一旦話し終え、また食べ始めると志賀が少し近付いて小声で言ってきた。












「ところで今、社内で大変な事が起こってるの知ってるか?」