私が桐谷さんに連絡したのは、あの人に会った丁度一週間後だった。


電話で「行きたいです」って伝えたら桐谷さんはあっさり「いいよ」と言ってくれた。



今日の8時に彼は迎えに来ると言って、電話を終えた。





「彩菜」


「わわっ……!!お兄ちゃんっ」


部屋にお兄ちゃんが入ってきて、慌てて携帯を隠した。





「早く朝ご飯食べなよ。俺はもう仕事に行くからね」


「うん。行ってらっしゃい……」



今日はお兄ちゃんがお仕事で遅くなる。


おまけに雅くんも今日は来れないんだって。



だから行くには絶好のチャンスってわけ。