Act,1【雪菜視点】


ふわり…

ふわり…

「ん………っ」
心地いいまどろみが体を包む。
「…っ…ぃ…おいっ!」
「んっ…!!」

誰かがわたしのなまえを呼ぶ。

「起きろ、雪菜!!」

目を開けると…見慣れた顔
幼馴染の羽鳥鷹将が目の前に

「トリ…布団返してえ〜」

はがされたベッドシーツを手でおもむろに引き寄せ、もぞもぞとダンゴ虫のようにくるまる。
その行為はトリ(羽鳥)のイラつき度を確実にあげた。


「今日は日曜日でしょ…?…っまだ寝かせてよ」
怠惰な雪菜の態度に、トリは眉間に深いシワを寄せる。

「お前は何言ってるんだ?今日は月曜日だ。高校2年の始業式に遅れるつもりか?クラス発表もあるぞ」