諏訪野が死んで残りは4人。


もう嫌だ。逃げ出したい。

だけど逃げることはできない。


「潤……」

美織がずっと手を握ってくれているけど感覚がない。


これは絶望というより、殺意に近い。

このゲームをはじめた有栖川をキッカケはどうであれ、許すことはできない。

絶対に。


「きゃはははは」

と、その時。廊下からあの声が響いた。

それは家庭科室がある方角から。


急いで向かってみると、中には正人と日野沢の姿。


アリスは家庭科室にある全てのものを浮かせていて、机や椅子、食器などを脅すようにふたりに投げつけていた。


「やめろ!」

俺がそう叫ぶとアリスが首をくるんと回してこっちを見た。


「あら?ひとり足りないわね?もしかして死んだ?ねえ、諏訪野は死んだの?きゃは。早速オモチャにしちゃおうかなあ?でもアイツは嫌いだから可愛がってあげないの。すごーく醜い姿で操ってあげ……」


――ドンッ!!

俺はペラペラと喋るアリスの口を塞ぐようにドアを思いきり殴った。