~♪ ~♪ ~♪ ~♪

「もしもし…?」

『……泣いた?』

この声……

「静歩……?」

『嫌な予感がしたからね。やっぱ、何かあったんだ?』

「うっ……うぅ……っ」

「全く。ほんとニコは世話が焼けるね!」

えっ……?

振り向くと、後ろに静歩がいた。

「何で………」

「大体わかるわよ!だって親友でしょ?このあたりで泣いてるんじゃないか、ってね」

「静歩っ……!!」

私は静歩に抱きついた。

「家、おいで?私一人暮らしだし、気にすることないからさ!」

そういって私を連れていってくれた。

「あー、寒い寒いっ!秋も秋で寒いねー!」

家に入りながらいう静歩。

「飲み物用意するから、テレビでも見てな!」

「…うん」

リビングで座っていると、

淹れたての紅茶が出てきた。

「さて、と。何があったの?」

「実はね…」

私は今日あったことを全て話した。

その間、静歩は何もいわずに聞いてくれた。

「そんなことがあったんだね」

「うん……」

「ニコ?」

「ん?」

静歩に顔を向けると、静歩は私を抱きしめた。

「ちょ、静歩!?」

「………頑張ったね、ニコ」

「………っ!!」

優しいその一言に涙が溢れた。

誰もそんなこといってくれなかった。

ただ羨むばかりで。

頑張って、だとか羨ましいだとかしか

いわれなかったから。

こんなことをいわれて嬉しかった。