あ〜…


簡単にはバレないと思ってたんだけどな。

消えている時を見られたんならしょうがないか。


「お前は、何をしに来てるわけ?」


「関係ないでしょ?」



吟は少し笑った。


ていうか、普通に返しただけだよ?

本当に関係ないしね。




「へぇ〜…

お前、サリアス語読めるんだ」



あ。

ばれた。



私はそっと持っていた本を後ろへ隠す。



ここでのフランス語は別名サリアス語。

ここら辺でサリアス語を知ってる人は少ない。

サリアス語を中心に使っている所はここから結構遠いから。


「さっすが、学園1位の氷の魔女さんですね?」


「はぁ?」

私はイラつきを隠さないで言ってしまった。



……あ、やばいかも。

吟は私の返答にまた少し笑って

「へえ。氷じゃない所を見ちゃったかな」


いや、だってさ。

氷の魔女ってどういうこと?

私の犯罪がバレてるってことじゃないよね…?