それから少し、時が経ち、
ゆかは1度不登校になった。
一時的に病気だったそうだ。
しかし、ずっとな訳ではなかったが
めんどくさがりな性格のゆかは、
不登校気味になっていた。

「あ、桃、この作品いいねー笑」

「ほんとっ?ありがとー!」

ゆかがいないクラスでは、
私が1番美術の才能があった。しかし、
私はゆかのことが気になっていた。
なにか嫌なことでもあったのかな?
どうしてこないのかな?

気にかけているうちに、ゆかと
仲良くなり、ゆかも学校にくるように
なった。

桃「やっと美術だー!」

ゆ「桃は美術好きだねー笑」

桃「うん、今はコレ作ってるのー」

ゆ「いいねー、んー、
でも私はこうゆうののが好きー」

ゆかは私が一時間かけた作業を
さらっとやってのけた。
そしてそこに先生が通りがかった。

「お、ゆかさんいいねー。この調子♪」

アドバイスの一つも、なかったのだ。
私や他の生徒の時には、こうしたら?
こうのがいいんじゃないか、と
沢山口を挟んでいた先生が
満足気に、褒めただけだった。

「わー、ゆかめっちゃじょうず!」

「神は人に二物、三物与えるのねー」

「美人なくせに美術の才能もかー笑」

悟った。私はゆかには、敵わない。
親友にまでなったゆかに、
大好きなゆかに、___…負けた。
ムカついた。
私は、頑張って一時間もかけて
作ったのに、!
ゆかは殆どサボって、!
ささっと作っただけなのに、
なんで私が負けるの!?
ゆかなんて______!!
そこまで考えて、思考が戻った。
私は、ゆかは才能があるだけなのに
嫉妬してしまった。
ゆかは悪くないのに、
不幸を願ってしまった。
…それでも、親友?

「(あーあ、モウヤダ)」

作品をゴミ箱に、捨てたくなった。