「桃ってほんと可愛くよねー」

「あー、たしかに、羨ましいわー」

小学校の頃、私、桃は小学生の中では
可愛い子、と親や友達から何度も
言われていたのを覚えている。

「そんなことないよー、○○のが
美人な顔で羨ましいけどな〜笑」

その頃の私は沢山言われていたのもあり
自分の顔が整っていることを
まあまあ自覚していた。
小さい頃から褒められ続けてきたのだ。
わからないのはバカくらいだろう。
しかしそこを肯定すれば、自意識過剰
として嫌われるのもわかっていた。

「桃ってば、ほんとに可愛いのにー」

「冗談やめてよー笑、それよりさー…」

「あ、わかるー!…」

肯定する訳にもいかないので
さりげなく話題を逸らしていたが
内心嬉しい、と感じていた。
褒められて嬉しくない子供はいない。

「もも〜っ、テストどーだった?」

「うーん、まあまあかな笑」

小学生の頃はまだ学力に差はなく、
どちらかというと良い方であった。

「次、音楽だねっ」

「歌のテストじゃーん、楽しみ♪」

「桃って歌うまいよねー」

「歌うの好きだから♪」

また、歌や絵なども成績がよく、
祖母などからもよく褒められていた。

そんか感じで、小学校時代はまあまあ
よかったほうなのであろう。
そうして高みを知ってしまった私は…