◇◇◇



「白髪ぅ?」



苑雛くんの、真底どうでもいいと言った声が響いた。


屋敷内のリビング的な、真っ黒な卓袱台といくつかの生活雑貨がある部屋である。

苑雛くんは、やけに分厚くてなに書いてあるのかわかんない本を熟読していた。


その読書タイムを邪魔してるのは、俺ことゆーちゃんと出てきたアカネ、それにスズだ。


「そーなんだよ、な!」

「あ、ああ…うん。アカネのいう通り、タマの白髪だった」


「…外人の子かなんかでしょー…」


「いやいや、タマだったんだって!」


あれから、「車から飛び出てはいけません」とミサキくんに説教をくらい、そのあとに異界にきた俺ら。

屋敷につくなり、ダッシュで苑雛くんに報告したのだ。


「あれ誰なんだよ!」

「…さあ…僕見てないからわかんない」

「白髪はタマだったんだ、間違いなく」

「そー…神格は?」

「高めだった気がする…。な、ゆーちゃん?」

同意を求めるな同意を。

「いや俺わかんないから。神格とか」

人間だぞ、ニョタ化してるけど一応。