「今日の体育は休めー。
あと風呂禁止ね」
「思春期の男に酷だよ」
「知らねーよイカ臭くなろうが」
「だからならねえって」
この変態教師が。
これセクハラじゃねーのか…?
でも、この山本先生に救われてる面があるのも事実。
ちゃんと俺らが置かれた境遇をわかってくれてる。
で、それを持ち前の緩さで解してくれる。
「…この話は嫌?」
心配そうに顔をのぞきこまれた。
「…嫌」
この話は好きじゃない。
だって思い出す。
毎日死と隣り合わせな今よりも最悪な
『し』と『せ』と『つ』がつく所を。
「なら、もうしない。私一応カウンセラーでもあるからさ」
山本先生は保健室とカウンセラー室を持つ先生だ。
まあ今の世の中不思議な光景じゃない。
「…千晶にはすんなよ?」
「布留だけだよ。
だってきてくんねーもん」
カウンセラー室にお呼ばれされてるらしいのだが、一回も顔を出してくれないらしい。
キーンコーンと授業開始のチャイムがなる。
一時間目には間に合わなかったらしい。
「一時間目なにー?」
「確か国語?」
「じゃーサボりなよー」
「言われなくてもそーする」
教師が軽く問題発言をした。
「…てかなんで砂糖水なんだよ」
「あ?好きなんだよ。ほら私、あま〜い保健室の先生だからさ?」
「意味わかんない…」