ケータイ小説 野いちご

愛すと殺すと

おはようからおやすみまで
今日は映画の日

◇◇◇


「じゃあね、陽。
死なないでね?」


「大丈夫だって。毎朝毎朝…」


「でも心配なのー」



毎朝俺の教室の前で行われる会話である。

現在2年生の俺らは、同じクラスになれなかった。

3ヶ月後のクラス替えは、同じになれるといいんだけど…。



「大好きだよ陽」


「…はいはい」


「放課後の映画、絶対だよ」


「わかったわかった」


「愛してる」


「はいはい」


その言葉に満足したらしく、にこーと笑って去っていった。

…隣のクラスなんだけどね。



もちろん俺は死んでない。



あーゆーのは日常茶飯事なのだ。

今日は腕を少しかすっただけですんだ。

無傷で済むこともあれば、何針も縫う怪我になることもある。



俺が死にたくないと命乞いをしたら殺す。


たぶんきっとそうだ。

今日は、死なずに済んだ。


たまにあーなるんだ。


それは俺のせい。

俺が千晶を愛してないか、千晶が不安になったとき、あんな行動に出る。

しばらく勉強してたからな。

千晶は不安になったんだろう。

甘えん坊さんだから。


「っ…」


ちょっと痛む右腕。

絆創膏だけじゃダメみたい。


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