ケータイ小説 野いちご

最後の映画

彼女と僕


彼女の事は前から僕が好きだった。


彼女は、僕の事を嫌いではなかったが恋人になるほどでは、なく僕らの付き合いはこれからだと思えた。


だが僕らにこれからはないのだろうとも分かっていたのだが…



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そういう時に彼女を映画に誘うとOKしてくれた。


僕は、焦りよりも自分自身がとても好きな映画を彼女に好きになって欲しいと思ったからだ。



彼女は、映画館に着くとその古い外観は何故か気に入ってくれたが映画の題名とポスターを見ると顔をしかめた。


アルパチーノ主演のギャング映画スカーフェイスだった。


これは、移民上がりのアルパチーノ演じるトニーモンタナが成り上がって行くが最後は破滅すると言う映画だ。


僕は、この古い映画を何度も観ていたが、今回初めて映画館の大きなスクリーンで観れるのがとても嬉しかったし彼女にも偏見を持たずに観て欲しいと思っていた。


粗野で田舎者のトニーモンタナだがこの映画の中には様々な人間の本質が描かれている。


僕は、彼女にこの映画を好きになって欲しいと思っていたし、我々には残念ながらそんなに時間が残されていなかったのだ。


この古い映画館は、町外れに有り周りを山に囲まれている。






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