【桜彩side】



ピピピピッ─────


大音量の目覚ましの音で起きる朝。


初夏に突入したばかりと言えど、蒸し暑さが気持ち悪い……。


背中に引っ付くTシャツを脱ぎ、真っ白のセーラー服に早着替え。


近くの高校に通う高校1年生やってます!



「あー……もう!早くしないと遅刻するし…。あ、でも朝ごはん食べなきゃ」


部屋からリビングまでの廊下をダッシュ!


広々としたダイニングキッチンで、卵焼きにベーコン、それからトーストを焼いて一人朝ごはんタイム。


リビングはガラス張りで囲むようになっていて、窓の外はビルを見下ろせるほど。


高層マンションからの眺めは晴れてる日ならすっごく最高♪


「これでママがいればなぁ………」


あたしのママは大女優兼所属事務所社長。


それから、あたしを16年間育ててくれたシングルマザーでもある。


ママは女優だけど、あたしは普通のどこにでもいる女子高生。


女優の世界に飛び込む度胸も器量もあたしにはないや。