09/06/25 野いちご文庫より『キミが教えてくれたこと』と改題して出版!
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それは一月程前。
体がどうも思うように動かないと思っていたら、左腕の肘の辺りから明らかに人の腕には不自然な木の芽が生えていた。
むしりとったらそこから赤い血が流れた。
痛みはなかった。
あぁ自分はまだ人間なのだな、と思うと同時に。
これでもう僕も終わりかと、特に何の感慨もなく思った。
感染者は確実に死に至る、木病。
それに感染したとある少年と、
賑やかな少女のお話。
沢山の感想・レビューありがとうございます!
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体が木に変化していく奇病に感染した男子高校生・鈴木の元へ、なぜか毎日クラス委員長の女子が訪ねてくるようになる。最初はわずらわしく思っていた鈴木も、一生懸命な彼女に巻き込まれてしまい、いつの間にか会話を楽しみにするようになっていったが……。ふたりの心温まる交流を描く、表題作「キミが教えてくれたこと」、他1編を収録。