黒の双剣、白き犬

ファンタジー

水陰/著
黒の双剣、白き犬
作品番号
1653515
最終更新
2021/11/19
総文字数
591
ページ数
2ページ
ステータス
未完結
PV数
3
いいね数
0

 その昔、一人の男が怒りに我を忘れ、剣をとった。

 村が鮮血に染まった理由は、男の腕ではなく飢饉に体が弱りきった者が多かった為であるが。

 刃から肘へ滴る鮮血に、男はその刀身を眺め、浸ってしまった。

 肉を断つ、その快感に。

 仇の隣家へ、長い刃を地に引きずり、赤い血を顔につけ。

 二件、三件、悲鳴が男を高揚させた。

 逃げ惑う女の足を、命乞いする老人の腕を。

 血しぶき舞うそこは、まさに地獄か。

 橋を越え、隣村へ、山を越えさらに遠くへ。

 いつしか男は狂った鬼、狂鬼(くるいおに)と呼ばれた。

 悦が飽きへと変わる頃、なまくらとなりかけた刀身を、踏み付け、二つに裂いた。

 刀を磨くという知識がない為であった。

 奇しくもその行為が、すでに邪剣となったその刀の覚醒への引き金になってしまった。

 二つになった刀は意思を持ち、いつしか男は刀の意思のまま人を切る真の鬼になってしまった。

 邪剣が妖刀となるほど、人の血を吸った頃、男の生が終わりを迎えかけていた。

 ほとんど不眠不休で人を狩る鬼となったが、その器はまだ、かろうじて人の姿をしていたた為であった。

 だが、妖刀は持ち主の生が終わり、その役目を終えることを嫌がった。

 あまりにも血を吸いすぎた妖刀は、次々に人の手にわたっては辺りを血に染め、持ち主を鬼へと変貌させていった。

 
 
あらすじ

 双剣の妖刀を飲み込み、鬼となった走右(ソウウ)と砕左(サイサ)。

 二人を従えることになった了(りょう)。

 平和とは程遠いながらも穏やかな毎日を送っていた三人のもとに派遣されることになったが、

 まさかこんな過酷だなんて!?

 労働基準法ってしってますか!?

 鬼二匹×人間主人×犬!?

 従順って、つみですか?

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