ジワジワと流れる汗
コンビニで袋いっぱいに買ったアイスも
溶けだしそうな暑さ
1DKの古い2階建てアパート
登り慣れた階段も今日は一段と辛い
ポケットから玄関の鍵を取り出し
家の中に入ると外の暑さと違う
ムアッとくる蒸し暑さ
一目散にリモコンを手に取り
ピッとスイッチを入れる
クーラーの室外機が静かに音を出し始めた
買ったアイスを袋から取り出し
冷蔵庫に閉まいその中の1本を手にとり
頬張る 「っ!?」キーンとくる冷たさに
こめかみを抑えた
ふと、窓の外に目をやる
透き通った青い空
焼けるような太陽
平日の昼間、騒ぐ子どもたちの声
耳をすませば、蝉の鳴き声
「…夏、だなー」
- あらすじ
仕事、仕事の日々
仕事一筋人間ではなかったが
気づけば29歳も終わろうとしていた
夏歩は、ふと幼少期を思い出す
懐かしさから5年振りに実家へと
帰省することにした
久々の故郷で出会った両親や人々に
触れ合うことで自分を見つめ直す夏歩。
生きるとは?
仕事とは?
愛とは?
三十路を迎える夏歩の20代最後の夏