楠原りょうさんの作品一覧

唯織くんは素直にデレない

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恋愛(ラブコメ)10ページ

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――――1年前 「ちょちょちょ、|琥太朗《こたろう》っ! どういうことだ!? この学校に、|彼女《あのコ》がいるっ!」 桜舞う、県立|南爾河岸《なにがし》高校の入学式。 |神戸《かんべ》 |唯織《いおり》は、新入生たちの中に立っているひとりの女生徒を見つけて、一気に心臓が跳ね上がった。 「え、あのコ、って4ヶ月前に|唯織《おまえ》が|輩《やから》たちから助けたっていう、あのお嬢様学校の彼女のことか?」 「え〜! アンタがずっと|紬生《つむぎ》ちゃん、紬生ちゃんって言ってた、あのコ!? スッゴイ、事情は分かんないけど|運命《ウンメー》じゃん! 話しかけてきなよ!」 「いやいやムリムリムリ、カンタンに言うな、|朱莉《あかり》。覚えられてなかったら? 俺恥ずかしくてもう二度と紬生ちゃんに話しかけられないよ? いやぁもまじムリムリムリムリ!  ……ちょっと行ってくる」 「行くんかい」 「話しかけたい気持ちの方が勝ったみたいだな」 一歩、二歩。 彼女への距離を縮めていくごとに鼓動も大きくなっていく。 なんて話しかけよう。 『俺のこと、覚えてる?』 いや、『は?』とか言われたら俺、絶対立ち直れねぇ。 だったらここは『あれ、前に会ったことあったような気がすんだけど』か? ああああ、今『気のせいでは?』って未来チラ見えした。まじ|怖《こ》ぇぇえ!! 「……あなたは、あの時の……」 うぉおおっ!! 紬生ちゃんがっ! 俺を、俺を覚えてくれてたっっ!? 今だ言え、唯織!  せーの、 「てん…」 『天使のような君と友だちになりたい!』 「てん……メェ、ンなトコでなにしてやがんだ。なにまた俺の目の前に現れてんだよ! 目ざわりだっつーの!!」 「……アイツバカでしょ」 「間違いなく」 そんなカンジで。 唯織くんは素直にデレない。 前途多難な初恋のはじまり、はじまり。 2023年5月31完結☆
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