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僕の足
完
ベルヴィル
/著
総文字数/0
ノンフィクション・実話
0ページ
1
#危険な時間帯
#15
#青い春
#青春
表紙を見る
もし自分の足のサイズが50センチだったら。 僕は時折そんな事を考えてはなんとも形容しがたい恐怖に背筋を凍らす。 考えてもみて欲しい。もし己の足のサイズが50センチだったらどのような生活を送るはめになるのか。 例えば階段をのぼるとき。 たて幅が50センチ以上ある階段なんてそうないだろう。家や学校の比較的よく使う階段でも30センチあれば良い方,,,。 つまり50センチの足で上ろうものなら足の前側半分だけが階段をとらえ後ろ半分は宙に浮くことになるのだ。 さらに人間の本体である体は足の後ろ半分から伸びているためどうしても足の後ろ半分同様宙に浮くことになる。 はたしてそんな状態で階段を無事上る事が出来るだろうか。 いや、無理である。 少なくとも僕には到底出来そうにない。 宙に浮いてるとあらば上るどころか怖くて足元を見ることすらままならないだろう。他にも学校での授業中、50センチの足を存分に伸ばしたら全席の人の足に自分の足を重ねる事すら容易なはずだ。 全席の人の足になりすますことすら可能なのだ。もし僕がそれを実行に移した時、全席の人はまず己の目を疑うことだろう。 そしてとても理解できないその状況に恐怖し、きっと不登校になるに違いない。 そしていつしか僕の足は学校の七不思議となり半永久的に語り継がれるのだ。 僕の友人たちは嬉々としてその新しい七不思議を僕に話して聞かせるだろう。 僕がその七不思議の産みの親であるとも知らずに。 僕は一体どんな顔でそれを聞けば良いと言うのだ。 僕はそのときの事を考えるととてもいたたまれない気持ちになるのだ,,,。 世界史の授業中、窓から射し込む暖かな光に包まれながらふと、そんな事を考え始めた僕は、たぶんそろそろ人間やめるのかも知れない。
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