聖凪砂さんのレビュー一覧

★★★★★
2019/02/10 01:33
ネタバレ
意地っ張りな二人

大学のサークルの先輩後輩。そして、今は上司と部下という立場の二人。
出会いからの時間が長いからこそのお互いのことをよく知っている二人。だからこそ、縮まることができない複雑な心情。
恋に気づきながらも、不安からその気持ちが嘘だと思いこもうとするもどかしさなど、近いからこそ出てくるこれからの関係を気にする気持ちなど、主人公の心情がとても丁寧に書かれている作品でした。

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★★★★
2019/01/28 08:34
ネタバレ
思いもよらなかった

読み始めて、途中まで読んでいるうちに姿を見せない夫の姿はだいたい予想していました。ですが、その先を読み進めていくうちに、『まさか』の展開が起こっていきます。それが、自分が想像していたものとは違っていて、驚かされました。表の謎に隠された中での真の謎がわかった時には、何とも言えない気持ちと作者の方に『やられた!』と思いました。
ただのラブストーリーではない、隠された謎を見つけていくのも楽しいのではないかと思います。

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★★★★★
2019/01/10 12:55
ネタバレ
仕事に対する想いと愛情の深さ

結婚適齢期を前に、恋と仕事に対する想い。
現実でも向き合うこととなるリアルな問題。そこが丁寧に書かれた作品でした。

特に、お互いが想い合う姿は、ライバルが出てきたところで如実に表れていました。
彼の夢のため、仕事のために、自分は彼の隣にいていいのか悩む主人公。それとは逆に、彼はこうでなくてはいけないと決めつけるライバル。そのためには、彼の意思も何も関係なくことを進めようとするその彼女との違いが見せつけられました。
そして、最後の最後まで、それぞれが出した結論から目が離せなくて、ハラハラさせられっぱなしでした。

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★★★★★
2018/11/09 10:37
ネタバレ
結婚に希望を見いだせない二人。

結婚するということを考えられない主人公。ただ、仕事に打ち込み、まっすぐに突き進む彼女。そんな彼女はかっこいいけど、愛想のない上司にも、周りとは違い興味なし。そんな彼女に、ある日持ち掛けられた話。
女性にいい印象がない彼と、結婚願望がない主人公が、結婚というものがどういうものか身をもって体験していく。

お互いにこれまでも関係もなく、それでいてときめいたこともない。だから、ストーリー的には甘い展開はスローで少ないです。ただ、二人が同じ職場ということもあり、仕事の場面は丁寧に書かれており、情景が浮かび上がりました。コミカルな展開もあり、また、ハラハラさせられるところもあるけど、全体的にテンポよく読み進めることができる作品でした。

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★★★★
2018/10/02 00:34
ネタバレ
過去の経験から

過去、いろいろなことがあった主人公。そのせいで、人と壁を作りながら生きていた彼女は、突然の異動により、苦手な部署へと配属される。

苦手だと思っていた上司が、実は初恋の相手。
心にブレーキをかけている主人公をあれやこれやと構いつつ、仕掛けてくる彼に翻弄されていく彼女。淡々と紡がれるストーリーの中に、日常が織り交ぜられている作品でした。

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★★★★★
2018/09/22 22:14
ネタバレ
抗いながらも惹かれていく

親族に決められた婚約者。誕生日を目前に控え、ついに自分のささやかな自由の時間が終ろうとしていた主人公。自分の決められた人生に諦めていながらも、それでも心の中では納得できないものもあり、複雑な想いを胸に秘めながらも、彼女は淡々と過ごしていた。そんな時に現れた人。婚約者がいると告げながらも、自分を求めてくる彼に、彼女は必死に抗うが――…
はじめからストッパーをかけていたはずだった。なのに、不思議とそのストッパーを止めることができない。好きになったとしても、成就できないとわかっている恋。それなのに、彼はそれでもいいとぶつけられる、それがすごく戸惑いと共に不安をかきたてる。
主人公の諦めなければいけない状況と、秘めている恋心。むなしさと切なさと、やりきれなさが溢れる切ないラブストーリーでした。

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★★★★★
2018/03/25 21:19
ネタバレ
長い間の純粋な想い

長い間、ずっと想い続けていた純粋な気持ち。
それは、多感な思春期にも変わらずに続いた想い。だからこそ、純粋な二人の気持ちに水を差す人たちがとても汚く見えました。ただ、自分の思い通りに事を進めようとするためには、その想いを成就させるために頑張っているそれさえも、勝手に破るのかと。人の気持ちを自分の欲望のためだけに動かそうとしているそれが、二人とはかけ離れたように見えました。
ただ、純粋に忘れようとしても忘れられない二人の想い。その気持ちが、とても綺麗でそれでいて、だからこそ、そんな二人の気持ちを踏みにじる人たちが読んでいて、とても腹が立ちました。

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★★★★★
2018/02/22 03:36
ネタバレ
国のための聖乙女

国のための特別な存在「聖乙女」。聞こえはいいけど、実際は、自由を奪われた囚われの存在。
それは、人それぞれの考えでもあるのかもしれないが、大切な人がいるアンバーにとっては、それはとてもつらい状況。そして、それは相手である彼にも。
お互いがお互いを想い合っているのに、それをあきらめなくてはいけない想い。好きの気持ちと使命のお互いが板挟みになった状態での想いは、とても切なかったです。そして、そんな二人の想いを逆手にとって、近づく王太子。
ただ、想い合うだけではなく、お互いがお互いを守るために成長していく、そんな二人が健気でした。

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★★★★★
2018/01/26 00:09
ネタバレ
この続きが読みたい

すごく前向きな彼に、翻弄される主人公。毎日を、ただ平凡に過ごせることに安らぎを覚え、満足していた主人公。だけど、突然の異動命令に、その安らぎは奪われる。
笑顔を振りまき、前向きに行動していく年下の上司に、自分のペースを乱されまくりの主人公。初めから苦手としか感じない彼なのに、なぜか彼はパーソナルスペースへとぐいぐいと入ってくる。
びっくりするぐらいに強引な上司からのアプローチに戸惑う主人公。
短いページ数だったこともあり、これから本格的に恋が始まるという感じで終わっていたので、この先の二人がどのようになっていくのかが、読みたいです。

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★★★★★
2017/10/04 04:00
ネタバレ
想いと現実と

ストーカーに狙われていた主人公。警察に相談するものの、まともにはとりあってもらえない。
そんな時、社長によって紹介されたのは―――

安全のための同居人。だけど、それは二人の関係が徐々に変わっていく。
ただの甘いラブストーリーというわけではなく、私には少しサスペンス要素もあるように感じました。
ラブのハラハラドキドキだけではなく、サスペンス的にもハラハラドキドキさせられました。

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★★★★★
2017/02/23 04:46
ネタバレ
これぞオフィスラブ

読み終えた後は、これぞオフィスラブだと思えるほどにリアリティがあり、よく練りこまれた作品でした。
恋愛重視でありながらも、きちんとオフィスでの仕事内容も書かれており、すごく読みごたえがありました。あとがきで作者さんがこの仕事をされていたということもあるかもしれませんが、デザイナーの仕事がどういうものかを知ることができ、自分が思っていたデザイナーの仕事とは全く違う視点を持つことができました。それも、とても新鮮に映り、ラブストーリーのはずが、仕事面での話にも読みごたえがあり、ストーリーにぐっと引きこまれました。
また、最後にわかった不破の想いに、すごくドキドキさせられました。

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★★★★
2016/11/11 14:25
ネタバレ
強烈なキャラ

出てくる登場人物がみんな一癖も二癖もある強烈なキャラ。出だしは、意味深で切ないラブストーリーなのかと思っていたのですが、予想を裏切られる展開の数々。キャラが濃いし、いろいろと面白いところもあったのですが、ちょっとストーリーがおざなりなところがある個所が何点があり、最後まで回収しきれていないところもあるように思えました。いろいろとストーリーの中に投げられた布石のようなもの。それがすっきり回収しきれていないところが、少し読み終わった読書感にもやっとしたものを残しているのかな?と。
いろいろと複雑な設定が織り込まれ、面白そうだからこそ、少し残念な気がしました。

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★★★★★
2016/09/02 02:54
ネタバレ
甘いだけの恋じゃない大人の恋愛事情

オフィスラブでも、大人のラブストーリーでも切なさや甘さがある作品はあるのですが、大人の恋の距離感。それも仕事を持つ大人のラブストーリーを読んだことがありませんでした。仕事と恋を両立しながらの恋愛をしながらも、どこか恋愛に重点を置いた作品が多い中、この作品はきちんと仕事に対して真面目に取り組み、どちらかというと恋は二番目。それがどちらもだから、あっさりすっきり。価値観もあってます。仕事一筋の二人だから、甘い展開を求める人には物足りないかもしれませんが、私はこの二人の距離感や考え方がすごく素敵だと思いました。この先の二人も見てみたいような、この終わり方で二人らしい気もするような、不思議な感覚を与えてくれた作品です。

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★★★★★
2016/08/30 03:00
ネタバレ
ちょっと変わったラブストーリー

表紙を見る限りでは、かなり切ないラブストーリーなのではと思いながら読み始めました。しかし、読み進めるごとに、「あれ?」と自分の中で思っていた内容とは違っていて、切ない話が苦手な私としては、すごく楽しめてよめました。
特に、相手の少し強引な行動に戸惑いながらも、流されてしまう主人公。その彼の行動も、その先にあることが何なのかよくわかりませんでした。ですが、どんどんと読んでいくにつれて、その先の意味もわかってきて、その意味がわかってきてからはより一層楽しかったです。

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★★★★★
2016/08/02 11:25
ネタバレ
キャラが濃い

すごく面白かったです。
ラブストーリーのはずなのに、文章のいたるところに笑えるところがあって。とくに、社長のキャラが強烈なのですが、そのことに主人公が心の中で入れている突っ込みが的を得ていて。
読み初めから後半のストーリー展開は、まさかという感じで、そこで題名の意味がわかりました。
正直、前半部分からは題名のことなんてすっかり頭から抜けていたほどでした。
もう、本当に面白くて。
最後まで読みながら笑わせていただきました。

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★★★★
2016/07/30 02:06
ネタバレ
ありえない事態から

絶対にこういうことはないだろうな…という設定から始まるストーリー。
誰かもわからない人をいきなり家に連れて行き、泊まらせるという行為は普通に考えるとありえない。だけど、ストーリーはそこから始まります。
はじめは話そうとすらしなかった彼が少しずつ心を開いていき、実はさりげなく手を差し伸べている。それは主人公を陰ながら守っているようですごく素敵な行為でした。
元カレの勝手な言い分や行動。一見、優しそうな行動だけど、一番最低な言動。そんな彼にはもっと制裁を加えてもらってもいいような気がしました。
でも、こういう男って結構いるな…と思ったりもしました。
最後が少し駆け足気味だったのが、もったいない気がします。もう少し、再会してからの二人の展開を読んでみたかったです。

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★★★★★
2016/07/28 01:58
ネタバレ
可愛らしいお話

初恋と題名につくだけに、読んでいて少女漫画みたいと思いました。
ブレッドと題名が付くだけにストーリーの中での心情をパンにちなんだ表現が使われていたりと、一定した表現方法を取り入れているのですが、それ以上に読んでいて思ったことは、少女漫画にありがちな設定がかなり盛り込まれていたことです。
眼鏡女子が眼鏡を外したら、実は美人だったとか、どんなに嫌がらせをされて前向きだとか、わかりやすい異性からのアプローチに全く気付かない鈍感さとか。
それが、オフィスラブで展開されているから面白い。定番のシチュエーションのはずが、なぜか新鮮さがあります。
あっという間のストーリーでしたが、すごく面白かったです。

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★★★★★
2016/07/11 03:14
ネタバレ
勘違いとすれ違いの連続

初めの時点で、「ああ、勘違いしてるな」ということはわかりました。
だけど、そこからの読める展開の中で繰り広げられる二人のやり取りは読んでいてもすごく心地よかったし、ドキドキさせられました。
そして、美味しいというタイトル通りに、料理がストーリーの中にちりばめられていて、それがストーリーの中で温かさをプラスさせていました。
食事って、すごく大切なことですよね。
読んでいて、とても温かく素敵なお話で、何度も読み直したくなるお話でした。
番外編では、終始出てきた元カレも登場し、すごくすっきりしました。
最高に素敵でおすすめの作品です。

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★★★★★
2016/05/29 22:41
ネタバレ
それぞれの複雑な関係。

自分勝手な会社の先輩から理不尽な仕事の押し付けをされていた主人公。そんな主人公をある日、さりげなく助けてくれた彼は……

ベタな展開から始まったこのストーリーですが、ストーリーは至って前向きでまっすぐに一直線に進むラブストーリーでした。ただ、そこまでのラブストーリーなのに、そのキャラの背景はかなり複雑な関係で。
主人公は普通の家庭で育った子なのですが、彼の家庭環境というか育った環境が複雑すぎて。
ちょっと、ギャップを感じさせました。でも、そこもストーリーとつながっていて。思ったのは、両親の恋愛だけでも一つのストーリーができあがってしまうのではないと思うほどです。
愛情に飢えていた課長だからこそ、絶対に二人で幸せになって欲しいと思いました。

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★★★★★
2016/05/18 02:45
ゆっくりと進むストーリー

この方が書かれる作品は、いつも穏やかでゆったりとした作品が多いです。 ストーリーの中に刺激がほしいと思われる方には、もしかしたら少し物足りないかもしれませんが、甘くゆったりとした流れの作品を読みたいと思われる方にはぴったりだと思いました。 特に何かしらの変化があるわけではないけど、だけど、読んでいくと少し気恥ずかしい気持ちにさせてくれ、心を温めてくれる作品。 私は読んでいて、そのように感じました。

この方が書かれる作品は、いつも穏やかでゆったりとした作品が多いです。
ストーリーの中に刺激がほしいと思われる方には、もしかしたら少し物足りないかもしれませんが、甘くゆったりとした流れの作品を読みたいと思われる方にはぴったりだと思いました。
特に何かしらの変化があるわけではないけど、だけど、読んでいくと少し気恥ずかしい気持ちにさせてくれ、心を温めてくれる作品。
私は読んでいて、そのように感じました。

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