里崎由和さんの作品一覧

石狩のシャケ

総文字数/1

青春・友情1ページ

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斉藤先輩、中学生の時、先輩がミーティングで、「強い気持ちが大切」とよく言っていましたね。 この間、練習試合で、「石狩の剛腕」の異名をもつあなたから、四球で出塁した、あの打席でのカット。 あれは、「強い気持ち」から生まれたものでは、確かにあります。 だけどそれは、嫉妬、憎しみといった、みっともないモノであり、その心の広さから「石狩の新港」とも言われた先輩の言っていた事とは、たぶん全く違ったもので、先輩が、笑顔を向ける対象ではありません。 後ろめたい気持ちは、先輩を目の前にすると、やはりあります。しかし、今や僕はどんな悪球でもキャッチャーの股間にショートバウンドを当てる事ができるようになったのです。 意味を履き違えているのは、わかっていますが、このまま、とりあえず「強い気持ち」を持ち続けてみようと、思っています。
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