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亜れみた
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「推し」は、遠くから見上げる存在だと思っていた。 同じ空気を吸うことも、同じ列車に揺られることもない世界の人。 けれどもし、推しがあなたの“日常”を本気で愛してしまったら——。 本作は、底辺乗り物オタクの女性と、国民的人気バンドのボーカルという、決して交わらないはずの二人が、鉄道と旅を通じて距離を縮めていく物語です。 派手なシンデレラストーリーではありません。 始発のホーム、駅そばの湯気、各駅停車の揺れ、誰にも気づかれない早朝の車内。 そこにあるのは、推しと過ごす“非日常”ではなく、積み重なっていく“生活の手触り”です。 この物語が描く「溺愛」は、独占でも依存でもありません。 相手の世界を奪わず、壊さず、尊重したまま隣に立つこと。 数字や評価に振り回されがちな現代で、「好き」という感情をどう守るのかを、静かに、しかし確かに問いかけます。 推す側だったはずの主人公が、いつの間にか推され、見つけられ、選ばれていく。 その逆転は甘くて、少し怖くて、でもとても誠実です。 恋愛小説であり、オタク小説であり、旅と仕事の物語でもある一冊。 “誰かの人生を応援すること”と“自分の人生を生きること”が、同じ線路の上にあると気づいたとき、物語は静かに走り出します。

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