家族ってなに？血が繋がっていること？
そんな問いに優しく答えをくれるような作品だと感じました。あまりに尊くあたたかな、家族愛が溢れている。
四宮兄妹、そして緒方兄弟と。不器用だけどお互いが互いを思い、一生懸命生きるもしくはそんな姿をみて変わってゆく、美しいキョーダイたちの物語。そこにあるのは恋愛でなくまごうことなき家族愛なのもとてもすきです。途中ハラハラしますが、最後は、きっとこの先カタチが変わろうが根幹の愛は変わることがないのだろうと思える、しあわせな日常に。
そんな家族愛を確かめに、ぜひめくってみては。成海兄貴、良いです。

恋にも愛にも正解なんてなくて、それでも"普通"、"正しい"、そんな言葉が柔らかい心を縛ってしまって。それでももがいてでも真っ直ぐに生きる律ちゃんの姿をみていると、そんな正解誰が決めたんだよ、これを愛と言わずなんと言うんだ、って、世界に叫んでやりたくなります。
そんな、たしかな"純愛"の物語。

でも実はその純愛って律ちゃんだけじゃなくてこの物語に生きるみーんな持ってるもので、しかも純愛って恋愛だけじゃなくて友情にも、真琴ちゃんから律ちゃんへもあるのかなって。だからこそ苦しくて切なくて、そして愛しいのだと。そう思ったりも、します。
また、律ちゃんはしあわせに、なる。そう断言できる藍先輩の存在あってこそあたたかい気持ちでいっぱいです。

ぜひそれぞれの純愛の終着点を、その目で見届けませんか

耳のきこえない、音のない少女、音都ちゃん。そんな音都ちゃんは孤独な戦闘狂の光、ニコちゃんになる。
ニコちゃんの世界に音はないけれども、確かにあたたかく優しい音を感じる作品です。真っ暗だった世界が、ニコちゃんの存在から生まれる優しい声という音たちで彩られていく感覚。
また登場人物が時が経つにつれ変わっていくのがよく分かり、見ていて引き込まれます。ときには進み、変わり、ときには戻り。その成長や変化を感じると、つい泣きそうになります。

また、個人的には天鬼組の名前が聞けて嬉しいです。天鬼組といえばの「光」。この作品でも描かれているそれを見つけだし、掴んだその先に待っているのはもっとぽかぽかでまぶしい世界なんだろうなと見ずとも分かります。

ぜひ「光を掴んだその先に」と共に読んでみてください。(勝手に宣伝)
あたたかい光を、胸いっぱいに感じてください。

ぶっ飛んだシリーズが久しぶりに読みたいと急に思い時系列に読み進めていたのですが、理人さんの物語のつくりこみを改めて感じ、何故か泣きそうになりました。このみちゃんの身長伸びたんだ、とかこのみちゃんとほのかちゃんのお互いの呼び方が変わっている、とか。他にも沢山。物語はぜんぶ繋がって、このみちゃんの人生になっているのだと。
そしてそれはこの物語だけに限った話ではなくて。そうやってひとりひとりの人生に向き合い緻密に綴る理人さんの物語がだいすき。