悠里side


私にとって冬弥は、初めて心を許せた相手だった。


私は、幼い頃から人見知りする方だった為、人付き合いが苦手だったんだ。


だから高校に入学してからも、私は誰とも話さずに過ごすんだろうって思ってた。


冬弥に会うまでは…


冬弥は、今と同じような感じの人だった。


男とは、必要以上に近づかずに女には優しい人だった。


この時、私は「どうして男には必要以上に近づかずかないんだろ?」って思ってたけど、冬弥が男に絡まれてる姿を見て納得したのを覚えてる。


けど、それが理由じゃないって事は冬弥から話を聞くまでは分からなかったんだ。


まさか、そんな過去があったなんて…









「冬弥…」


『悠里か。どうした?』



冬弥は、さっきいた場所と同じ場所にいた。


ここは、穏やかな空気が流れてる。


だから、冬弥も工藤くんも、勿論私も好きな場所だ。



「大丈夫?」


『………慣れてる筈なのにね。結構、ショックだったみたい…』



いつも此処へ来ると私たちがそこにいないかのように遠い場所を見る冬弥


何も映さないその瞳で………


そして思うんだ。


いつか私や工藤君の前から消えて無くなってしまうんじゃないかって。



「知らないんだよ。皆」



冬弥は、私が話すのを待っているのを気配で感じながら私は言葉を紡いでいくんだ。



「冬弥が、どんな思いで仕事をしてるのか。冬弥を見てないから分からないんだ」



冬弥……


私や工藤君は貴女をちゃんと見てるよ。


だから


忘れないで…消えていかないで……私たちの前から…



『…………私は、拓也や悠里が分かってくれてたら、それでいい。他に何もいらない』



私たちは、依存しあってる


そんな事誰かに言われなくても分かりきっている事だ。


工藤君がどうして私たち……いや、冬弥に依存してるのかは分からない。


けど、 私と似ているから


だから依存する理由は多分私と一緒


私も冬弥に依存してるのから……