初めて彼氏が出来たのは、小学六年生の時


学校の先生だった。



「鬼崎、後で職員室に来なさい」



あの時は、先生に呼ばれた事が嬉しかった。


職員室についた時には、周りに先生たちの姿があった。


どうして呼ばれたのか…


どうして職員室だったのか…


そんな事を考えずに職員室に行った私は、大好きな先生から言われた言葉に後悔した。


それと同時に、あぁ私は先生の事本気で好きじゃなかったんだなぁって思った。



「鬼崎、私はお前を愛していた。だが、お前は私を愛してなかったんだよ」


『ど、どういう事?』


「それを私に聞くのか?君が一番分かっているだろう」



私は、先生が言った事が分からなかった。



「君がバラしたんだろう。私と君との事を。面白半分で私と付き合ったのだろう?そのお陰で私はクビになったよ。本当、君は男を惑わす女だな」



先生の言葉に私は、頭が真っ白になった。


私は、先生との事バラした事なんて無かったのに…


それなのに、先生は父さんと同じ事を言うんだね。


あぁ、そうか。


私は、先生の事を本気で好きになったわけじゃなかった。


だから、先生は私を疑うんだね。



私は、父さんの言葉に縛られてるんだね。



だから、私は本気の恋が出来ないんだね…





そうして、私の初めての恋が終わったんだ。