保温ライトのした、日課となっている甲羅干しでリラックスしていた私は、もうみーちゃんと出会ったあの頃の小さな子ガメじゃない。

甲長25センチ。

頭の先から尻尾の先までなら余裕で30センチはある、ジャンボなミドリガメの立派な成体――。

って言うか老体になっている。



だってあれから20年経ったんだもの。

色々な事があった。


あの丘ヤドカリの一郎君の悲しい別れから、もっと沢山の別れを経験した。

結局、丘ヤドカリ一座は、一郎君の後を追うように次々と亡くなり、翌年、水カビ病に冒されてしまった金魚軍団は、お母さん達の必死の看病も虚しく、3日で全滅してしまった。

あまりにもあっけない別れ。

そして、みーちゃんのおばあちゃん、つまり美智子お母さんのお母さんも、10年前に病気の為帰らぬ人となった。