翌日。 一郎君は、冷たくなっていた。 朝一番で様子を見に来た里美お姉ちゃんが、動かなくなっている一郎君を見付けて、慌ててみんなを呼んだ。 わんわん大泣きしたみーちゃん。 ぽろぽろ、唇を噛んで涙を流した里美お姉ちゃん。 少し悲しそうに目を伏せたお父さん。 そして。 「今までありがとうね。ゆっくりお休みなさい」 そう言って、自分の手のひらにそっと一郎君を乗せて、一粒涙をこぼしたお母さん。 みんなの涙に見送られて、一郎君は、神様の国へと旅立った。