「あのね、もしかしたら一郎君は寿命かもしれないの」
「じゅみょう?」
お母さんの言葉に、みーちゃんが意味が分からないと言う風に首を傾げる。
里美お姉ちゃんは、その意味が分かったらしく、悲しそうな顔になった。
「そう、寿命。神様が、これだけ生きなさいって最初にくれる命の長さのことよ」
みーちやんは、今度は聞き返さずに、じっとお母さんの話しに耳を傾けていた。
「一郎君の、命の長さは、もう終わってしまうのかもしれないね」
「一郎君、死んじゃうの?」
みーちゃんの言葉に、お母さんはゆっくり首をふって「誰にも分からないのよ。だから、そっと見守ってあげましょうね」
そう言って、みーちゃんと里美おねえちゃんの頭をナデナデした。
寿命……。
一郎君は、死んでしまうの?