「ただいま~。お腹空いたぞ」

そうこうしているうちに、お父さん、お腹を空かせて帰宅。

でも、夕飯、出来てないよ、お母さん。

「あ、お帰り! 今日は外食しよう、お父さん! 牛丼でいいや」

「ええ!?」

お父さん、いきなりのお母さんの牛丼攻撃に一瞬たじろぐも、さすがに慣れたもので、すぐに体勢を立て直した。

「別に、良いけど……、他に目的有るのと違うか?」

恐る恐る言うお父さんの眉根は、ギュっと寄せられている。

「うん。帰りにホームセンター寄ろう!」

あははは。

お母さん、上げ底の材料を買うつもりらしい。

「牛丼! 牛丼!」

子供達も嬉しそうに、はしゃいでいる。

私は期待を込めた眼差しで、牛丼屋さんに向かう斉藤さん一家を見送った。

行ってらっしゃい♪



そして、その日の夜遅く、私達の新居は完成したのだった。

お母さん、思いこんだら一直線の人です。

はい。